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総量規制の緩和求める―特定協・長田事務局次長

特定施設事業者連絡協議会の長田洋事務局次長は6月3日、「特定施設制度の動向について」と題して講演し、今後も総量規制の緩和や介護報酬の増額などを訴えていく方針を示した。東京都内で開かれた「高齢者住宅フェア」のセミナーで語った。

 長田氏は講演で、介護型の有料老人ホームやケアハウスなど特定施設を利用する高齢者が、2025年には07年の3倍に当たる1日当たり33万人に達するとの政府の社会保障国民会議のシミュレーション結果について、総量規制をなくしても対応できるかどうか分からないくらいの急速な拡大だとして、特定施設を増やすには総量規制の緩和などが必要だと訴えた。

 介護報酬については、特定施設の報酬が特別養護老人ホームなどと比べて低いことを問題視。今後も特定施設の報酬増額を訴えていくとした。
 また、介護報酬の今後の動向については、要支援者に対する「介護予防特定施設入居者生活介護」の報酬が、過去2回の改定で引き下げられたことを挙げ、今後もその傾向が続くとの見通しを示した。その上で、今年4月の介護報酬改定で要介護者については増額されたことから、要介護者を受け入れる体制の整備や、入居金、家賃などで赤字を出さない事業経営が求められるとした。

 セミナーではこのほか、高齢者専用賃貸住宅事業者協会の橋本俊明会長が、「高齢者住宅の今後」と題して講演した。
 橋本氏は、政府が10-20年後を見通した高齢者住宅の政策を決めていないと指摘し、日本に先立って高齢化を迎えた諸外国の例を参考にすべきと述べた。
 一例として、デンマークなど北欧で実践されている、介護度の軽重にかかわらず、住居部分を充実させる「住まいとケアの分離」を紹介。これを実践する場が高専賃であり、今後、政府は高専賃を中心とした高齢者住宅政策を取るべきと強調した。引用:医療介護CBニュース

特養への補助制度案を公表―東京都

東京都はこのほど、特別養護老人ホームなどを対象とした補助事業の詳細を公表した。施設の改修や介護職員の採用活動、介護従事者の負担軽減のための機器導入などを支援する補助制度案が示されている。

 今回の補助制度の対象は、特養が中心となっている。介護老人保健施設や認知症高齢者グループホームについてもほぼ同様の制度だが、補助金の額などが一部異なる。

 「大規模改修費補助事業」では、一定年数を経過して改修が必要になった施設や、防災対策上の工事が必要になった設備を改修する場合、特養を対象に1施設当たり最大で5000万円を補助する。建物の図面や見積書などから成る協議書を提出してもらい、審査の上で最大5施設に対して補助を行う。介護老人保健施設や認知症高齢者グループホームは対象外となる見通し。

 「介護従事者雇用環境改善支援事業」では、コンサルタント会社などを活用し、今年度中に組織制度や人事制度に関する具体的な雇用環境改善計画を策定する施設に対し、最大で55万円を補助する。さらに、改善計画の実施スケジュールを作成し、職員への公表まで行う施設は、最大で125万円の補助を受けることができる。

 また、「介護人材確保支援事業」では、職員確保のためインターネットや新聞などに求人広告を掲載する費用や、遠隔地で採用説明会を開催するための費用など、1施設当たり最大で50万円を補助。「介護人材育成・職場改善等支援事業」では、介護福祉士の資格取得や職場内外での研修を支援するため、1施設当たり5万-10万円を補助するとしている。

 このほか、「介護従事者業務省力化支援事業」では、施設が職員の業務負担の軽減を目的に移動リフトや機械式浴槽を購入する場合、1施設当たり最大で500万円を補助することなども示された。引用:医療介護CBニュース

介護施設で老いを考えた:/36 デイケア/8 /宮崎

◇親を預ける家族の事情
 県内では数多くの高齢者がデイケアを利用している。朝から夕方まで施設でレクリエーションやリハビリを実施する毎日を送っている。
 では、彼ら高齢者が、デイケアの利用を始めるきっかけとなったのは、誰の意思だろうか。本人の希望なのか、それとも家族の希望なのか。
 「それは圧倒的に家族の意向です」と宮崎市高岡町、辰元グループのデイケア担当、飛田浩邦さん(30)は説明する。
 「介護が必要な高齢者を持つ家族の多くは、目の前の重労働から何とかして解放されたいと切実に待ち望んでいます。このままだと家族の方がまいってしまうから、と訪問したケアマネジャーが心配して相談してくるケースさえあります。週に2、3日だけでも、施設で面倒を見ることができれば、家族は何とか一息つけるのですよ」
 デイケアの参加者は気持ちよく入浴し、子供のようなゲームや体操をして一日を過ごす。その至れり尽くせりのサービスぶりは、慰安旅行を毎日続けているかのようにも見える。
 だが裏には、高齢者を自宅において置けない家族の事情が存在する。親に認知症があれば、自宅に置いたまま家族はどこへも行けない。認知症がなくても、体の不自由な高齢者を一人で自宅に残せば、親は一日中誰とも口をきかずに終わってしまう。それに対する「すまなさ」もあり、多くの家族は「仲間がたくさんいて楽しいデイケア」に親を預ける。高齢者たちは必ずしも自分から進んでデイケアに参加しているわけではない。
 ただ、家族にもいろいろあるようだ。デイケアに送り出すことに引け目を感じてか「お母さんをよろしくお願いします」と毎朝、深々と頭を下げる家族。施設職員の手をなるべくわずらわせまいと、高齢者を身ぎれいにして、清潔な紙パンツをつけて送り出す家族。一方、デイケアにまかせた後は「一切関知せず」の家族もいるという。
 「紙パンツの清潔度で、本人が家族にどう思われているかが分かるんですよ」。デイケアの参加者は半数以上が紙パンツをはいている。失禁を防ぐための2、3時間おきのトイレへの誘導は、職員の重要な仕事だ。その紙パンツがデイケア来訪の3日ほど前から、大便などで汚れたままの高齢者もいるという。家族が無関心で、自宅で取り換えないためである。
 「認知症だから、苦痛を訴えることは少ないのでしょうが、あまりにひどい。ただし私たちは、家族に『ひどい』などとは決して言いません。私たちが注意したことが原因で、本人に八つ当たりされては困るし、家族とけんかをしたくはない。そんな時は、ケアマネジャーを通じて婉曲(えんきょく)に言ってもらうんです。『大便まみれのままだと感染症の恐れがありますよ』などと、注意を促します。心の中では、どうして、もっと親を大切にしてくれないのか、と悲しくなるんですがね」引用:毎日新聞

地域ケアに市民の参加が不可欠

東京都は6月1日、高齢者が要介護状態になっても、地域で暮らし続けるために必要な取り組みとその具体策を検討する「東京の地域ケアを推進する会議」の今年度の初会合を開いた。委員からは、地域ケアへの市民参加や、現行の介護保険制度の問題点などについて意見が出された。

 会合ではまず、最終報告書の構成案が事務局から示された。構成案には、人口が多いなどの東京の地域特性や、「365日24時間介護」など目指すべき項目、今年度から行われている「認知症デイサービスセンター活用事業」と「地域連携推進員配置事業」の2つの試行事業の検証結果、具体的な先進事例の検証などが盛り込まれている。

 続いて行われた意見交換では、構成案に盛り込むべき論点として、地域ケアへの市民参加を促す方策や、介護保険制度のあり方などについて委員から意見が出された。

 地域ケアへの市民参加について、東京ボランティア・市民活動センターアドバイザーの安藤雄太委員は、「住民参加型の相互に支える仕組みの基盤が崩れている」と指摘し、市民が軸となって地域ケアに携わるべきとの見解を示した。また、自立して生活できる高齢者に対するケアとしては、市民が主体的に取り組み、ケアが必要になった高齢者は専門機関によるサービスを受けるという「段階論」が大切だと主張した。

 また、介護保険制度のあり方について、NPO法人メイアイヘルプユー事務局長の鳥海房枝委員は、「介護保険サービスがあるという理由で高齢者の介護に行かなくなった」という事例を挙げ、介護保険は人と人との関係の希薄さに拍車を掛けたと指摘。「介護保険がない方がよかったとは言わないが」と前置きした上で、市民が協力して地域ケアに取り組む大切さを訴えた。
 さらに、安藤委員は介護をしている家族が疲弊している例を挙げ、「介護保険という制度があっても介護をしている家族は支えられていない」と問題視。高齢者だけでなく、介護をしている家族を支えるための方策が必要だとの考えを示した。

 次回の会合は10月に開催される予定で、出された論点を整理する。事務局では、来年度末までには最終報告書をまとめたいとしており、今年度から始まっている2つの試行事業についてもそれぞれ専門部会を開催し、課題の検討などを進める考えだ。引用:医療介護CBニュース

各社大きく増収も、利益に差-介護事業上場09年3月期

介護サービスを提供する上場企業の2009年3月期決算がこのほど出そろった。売上高を大きく伸ばす企業が目立ったが、コムスンの事業を継承した企業を中心に、利益の回復はこれからとなっている。

 ニチイ学館の連結業績は、売上高2136億100万円(前年同期比6.9%増)、営業利益10億1300万円(同53.3%減)経常利益8億円(同60.8%減)、当期損益は10億9000万円の赤字(前年同期は8億3400万円の赤字)だった。このうち、介護サービス部門の「ヘルスケア事業」の売上高は997億7000万円(前年同期比25.2%増)、営業損益は7億5800万円の赤字(前年同期は1億9000万円の黒字)だった。
 「ヘルスケア事業」の今期予想は、既存の居住系介護事業の業績改善やダスキンの在宅介護子会社の事業継承、介護報酬改定による約30億円の増収などが寄与することから、売上高はトップの「医療関連事業」を抜く1190億円を、営業利益は25億円をそれぞれ見込んでいる。

 ベネッセコーポレーションの連結業績は、売上高4127億1100万円(前年同期比7.3%増)、営業利益391億2500万円(同12.2%増)、経常利益392億7600万円(同9.3%増)、当期利益106億7800万円(同30.9%減)だった。このうち、有料老人ホームなどの介護事業を展開する「シニアカンパニー」の売上高は403億5400万円(同8.7%増)、営業利益は26億3500万円(同1.1%減)。昨年度は有料老人ホーム10棟の新規立ち上げなどにより増収となったが、人材の確保などに向けた人事制度改定に伴う労務費の増加などがあったため、減益となった。
 「シニアカンパニー」の今期予想は、売上高460億円、営業利益37億円を見込む。また、有料老人ホーム20棟の新設を予定している。

 ツクイの業績(非連結)は、売上高361億7900万円(同20.5%増)、営業利益16億3600万円(同32.4%増)、経常利益15億3100万円(同29.1%増)、当期利益7億4000万円(同34.8%増)となった。部門別では、営業利益率13.5%の「在宅介護事業」が利益をけん引したほか、有料老人ホーム事業と人材開発事業の赤字幅が改善された。
 今期予想は、売上高430億9400万円、営業利益18億9600万円、経常利益16億100万円、当期利益7億5400万円を見込んでおり、赤字だった有料老人ホーム事業と人材開発事業も黒字となる見通し。
 同社は今期以降、通所施設を毎年50施設程度開設していく予定。津久井督六社長は決算説明会で、1800の自治体のうち、利益が見込める順に300か所くらいにまで出店していきたいとの方針を示した。

 メッセージの連結業績は、売上高270億9900万円(同17.5%増)、営業利益36億300万円(同8.3%減)、経常利益34億9300万円(同5.9%減)、当期利益18億9300万円(同4.9%減)となった。既存の介護付き有料老人ホームへの入居が好調だったほか、昨年8月に積水ハウスとの合弁会社を連結子会社としたことなどが増収要因となった。一方で、高齢者専用賃貸住宅の入居計画の未達や、キャリアアップのための労務費増加を経費削減で補い切れなかったことなどから、減益となった。
 今期予想は、売上高310億円、営業利益42億円、経常利益41億円、当期利益21億3000万円となっている。

 ジャパンケアサービスグループの連結業績は、売上高205億4800万円(同59.1%増)、営業損益は9億7500万円の赤字(前年同期は15億600万円の赤字)、経常損益11億1700万円の赤字(同13億300万円の赤字)、当期損益は16億5400万円の赤字(同13億1600万円の赤字)。
 コムスンからの事業継承会社などが昨年度の第4四半期に経常黒字となったことなどから、今期予想は、売上高208億3400万円、営業利益7億100万円、経常利益5億3400万円、当期利益3億6600万円と黒字を見込んでいる。

 セントケア・ホールディングの連結業績は、売上高197億8900万円(前年同期比16.9%増)、営業利益3億7600万円(前年同期は3億5600万円の赤字)、経常利益3億1600万円(同3億9100万円の赤字)、当期利益5000万円(同4億7300万円の赤字)となった。2007年11月にコムスンから事業継承した14社の売り上げが寄与したほか、施設系サービスの稼働率改善、外注費の圧縮、業務効率の改善などにより販売管理費などを圧縮し、黒字に回復した。
 今期予想は、売上高208億円、営業利益6億300万円、経常利益5億1600万円、当期利益1億8800万円を見込んでいる。

 ワタミの連結業績は、売上高1112億9100万円(前年同期比6.7%増)、営業利益60億4500万円(同21.3%増)、経常利益61億600万円(同18.2%増)、当期利益25億6100万円(同34.6%減)。このうち、有料老人ホームなどの「介護事業」の売上高は146億8000万円(同39.4%増)、経常利益は16億1900万円(同45.3%増)となった。老人ホーム6棟の開設や既存棟の入居率改善などが寄与した。
 「介護事業」の今期予想は、売上高181億円、経常利益19億5300万円を見込む。老人ホーム11棟を開設するほか、事業譲渡型のM&Aを継続するとしている。引用:医療介護CBニュース