介護施設で老いを考えた:/37 デイケア/9 /宮崎

介護施設で老いを考えた:/37 デイケア/9 /宮崎

◇利用者と施設にある相性
 「デイケア編」も最後になった。宮崎市高岡町にある辰元グループのデイケア担当職員、飛田浩邦さん(30)からのデイケア利用者へのアドバイスをまとめておこう。
 「デイケアに向いている性格と、向いていない性格は、間違いなくあると思います。デイケアを楽しめる人と、そうでない人がいるんです」
 この話は、先述したレクリエーションの際に「幼児的な行為に対して無心になり切れるかどうか」と関係してくる。
 レクリエーションが子供じみていようがいまいが「参加することに意義がある」のは事実だろう。体力維持のため、恥ずかしさやプライドを捨て、無心に楽しめる性格の人の方が得なのだ。そういう人の方が、結局は生命力が強いのである。
 飛田さんたち職員が「ゲームをしましょうか」と聞いても「何でせにゃならんとか」「せん!」と、激しくはねつける人もいる。一方では、嚥下(えんげ)体操で他の人が「パパパパ、カカカカ」などと声を上げている時は、ふてくされたような態度で横を向いていても、自分が指名されると大声で嚥下体操を披露する人もいる。人それぞれだ。
 それは職員についても同じことが言える。レクリエーションの時、職員には率先して参加者の前で歌ったり踊ったりする職務上の必要性がある。飛田さんたちは、専門学校でレクリエーションを運営する訓練を受けてきたため、それを「恥ずかしい」と尻込みする気持ちは克服している。
 しかし飛田さんは、若さゆえに昔の歌をあまり知らないため高齢者との共通の話題を見つけるのに苦労する。この施設では、元気のいい水前寺清子の歌がレクリエーションの時間によく流れている。この点、どうしても年配の職員の方が有利になる。歌一つですぐに打ち解ける。年配の職員の言うことなら素直に聞くのに、飛田さんら若い職員が同じことを頼んでも「若造の言うことが聞けるか」という悔しい対応を受ける場面がしばしばある。訓練を受けた職員でさえ悩むのだから、一般の高齢者に人前で子供じみたゲームをさせれば、抵抗を感じる人がいても当然だろう。
 「デイケアの参加者には、協調性も求められます。あまりに『我』が強い人は結局続かない。『いっとき休みます』と言って、そのまま来なくなった人もいます」と飛田さんは言う。参加者の多くは、自宅にいれば、一日中誰とも話をせず、寝たり起きたりの時間で終わってしまうだろう。
 ただ、それが可能な人はそれでいいのだと、私は思う。デイケア自体はあちこちで開業している。相性のいいデイケアが見つかるまで探せばいい。いずれにせよ、この人生で自分の自由になる時間は減り続けている。無理をせず、マイペースで心地よい一日を過ごせる場所を探すことが大切だ。引用:毎日新聞

2009年06月05日 | トラックバックURL |

カテゴリ: 介護ニュース

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