2009年05月の記事一覧

老人福祉と医療の倒産、08年度は過去最多

民間調査会社の帝国データバンクによると、特別養護老人ホームや在宅介護サービスなど老人福祉事業者の2008年度の倒産件数が前年度より5件増え、過去最多の26件となった。

 5年連続の増加で、この3年で約4・3倍になった。医療機関の倒産も過去最高だった前年度と同じ40件。高齢化が急速に進む中で、医療・介護の現場が厳しい経営環境に直面している実態が浮き彫りとなった。

 倒産急増の理由として、同社は「00年の介護保険法施行以降、ノウハウを持たない安易な新規参入企業が相次ぎ競争激化を招いた」と指摘。医療機関については、病院の勤務医が診療所や歯科医院を開業するケースが増え、「過当競争に陥った」と分析している。引用:読売新聞

「介護事故」の定義を明確に―日本介護福祉士会

介護現場で、事故や「ヒヤリ・ハット」の実態が正確に把握できていない可能性が高い―。日本介護福祉士会(石橋真二会長)はこのほど、会員に対して行った介護事故などに関する調査報告書をまとめ、こんな実態を明らかにした。回答者の約半数が、勤務する介護現場で過去1年間に発生した介護事故は「0件」としており、事故と「ヒヤリ・ハット」の分類が不適切な事例も多数あったという。同会では、介護事故や「ヒヤリ・ハット」の定義があいまいで、現場で共有できていないことが一因だと分析している。

調査は昨年12月、同会の会員5000人に対して実施した。有効回答は732人から得られ、うち介護現場で働くのは536人。調査票の作成や結果の分析は、介護現場の安全管理に詳しい学識経験者や弁護士、現場経験のある管理者など6人から成る検討委員会が行った。

 報告書によると、勤務先の介護現場における過去1年間の介護事故の有無を尋ねたところ、「0件」が48.3%で、「1件以上10件未満」は20.7%。「ヒヤリ・ハット」では、「0件」が34.5%、「1件以上10件未満」が12.7%だった。報告書は「現場での事故や『ヒヤリ・ハット』は、実際にはもっと発生しているだろう」「数値の妥当性が疑われる」と指摘している。
 また、入所系の生活施設と通所施設、訪問系サービスなどの業態別でも、回答内容に差があり、訪問介護などの訪問系事業所では、事故や『ヒヤリ・ハット』の報告件数が少なかった。しかし、報告書は「入所系であれ、訪問系、通所系事業所であれ、利用者の状態像に応じて、同じ確率で発生しているのではないか」としている。

 また、「ヒヤリ・ハット」として報告された557件のうち、委員会の検討の結果、事故に分類すべきと判断されたものが198件(35.5%)あった。苦情などの内容で、「ヒヤリ・ハット」に分類するのが「不適切」と判断されたケースも18件(3.2%)あり、実際に「ヒヤリ・ハット」に分類するのが適切とされたのは61.2%(341件)だった。さらに、過去1年間の「ヒヤリ・ハット」の有無について、無回答が40.3%あったことから、「約4割の人は発生を把握していないとも解釈できる」としている。

 介護事故や「ヒヤリ・ハット」の報告件数が予想より少なく、分類に「不適切事例」があった理由については、▽事故や「ヒヤリ・ハット」は「起こしてはならないこと」「突発的なこと」との意識が働き、介護者や施設・事業所側が意識的あるいは無意識に無視したり、見落としたりした▽事故や「ヒヤリ・ハット」の定義・概念があいまいで、介護者や施設・事業所側が正確に把握できていない▽施設や事業所内で事故や「ヒヤリ・ハット」の情報が共有できておらず、介護者が発生の実態を把握できていない―ことが考えられるとした。

■定義の明確化が課題
 日本介護福祉士会は調査結果から、介護事故の定義を明確にし、報告書の様式などを標準化することが、今後の事故防止の上で重要だと指摘。
 その上で、「利用者の身体上の損傷の程度や外傷の有無にかかわらず、転倒や転落、誤嚥といった事実が発生した場合に、介護事故として定義する。ただし、明らかに、契約上の結果の予見性や結果の回避義務において、想定される社会通念上の範囲で定義することとし、それ以外に発生した場合までを介護事故と定義するものではない」ことを提案している。

 「ヒヤリ・ハット」については、「語義として大変幅のある表現」で、あいまいさが払拭できず、回答でも「あいまいさそのものが報告されている」と指摘。その上で、「ヒヤリ・ハット」という表現を今後使用せず、「インシデント」に統一することを提案している。「インシデント」の定義については、「介護の質を向上させるために不可欠な手順や技術の標準化の立ち遅れ、手順やマニュアルを作成してもそれを忘れる、飛ばす、無視するというような手順忘れ、手順間違い、手順飛ばし、あるいは明らかに裏マニュアル化するなどによる不適切な対応を含むもの」としている。引用:医療介護CBニュース

老人福祉事業の倒産、過去最悪に

特別養護老人ホームや在宅介護サービスなど、老人福祉事業者の昨年度の倒産は26件で、過去最悪を記録したことが、帝国データバンクの調べで分かった。老人福祉事業者の倒産は急増しており、2005年度の6件の4.3倍に上った。

帝国データでは、2000年4月に介護保険制度がスタートして以降、企業による新規参入が相次いだものの、06年4月の介護報酬引き下げや、同じ時期に実施された介護保険法の改正で、施設サービスの居住費用や食費が保険外になったことが、倒産急増の要因になったとみている。

 老人福祉事業者の倒産は、01-05年度は低水準で推移していたが、06年度に前年度の2倍超の13件が発生。07年度には21件とさらに増えた。

 01年度以降に発生した76件のうち63件(82.9%)が「破産」によるもので、事業を継続する「民事再生法」は6件(7.9%)にすぎなかった。また、設立から倒産までの期間は、「10年未満」が55件と7割を超えた。負債額別では、「1億円未満」が46件(60.5%)だった。引用:医療介護CBニュース

有料老人ホーム 無届け県内に20施設

沖縄県内に無届けの有料老人ホームが20施設あり、198人が入居していることが県高齢者福祉介護課の調査で分かった。生活保護受給者は83人(42%)に上り、行き場のない高齢者の受け皿となっていることが浮き彫りとなった。県は届け出を指導し、研修を行って介護の質を高めることにしている。
 調査は3月に10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設の火災を受け厚労省が各都道府県に指示していた。
 入居者の要介護度の施設ごとの平均は「要介護3」が12件、「要介護4」4件、「要介護2」が2件、「要介護1」が1件で介護度の高い高齢者が入居している。
 20施設の中で入居者が徘徊(はいかい)するため、玄関の引き戸が開閉できないようにしていた施設が一施設あった。県は「火災の場合に中から出られない」と撤去を指導した。
 身体拘束があった施設は3件。精神障害があり経管栄養の管を抜く恐れがあり医師、家族の了解を得て手袋などを着けていた。夜間の職員が1人しかいない施設が13件、2人が7件。県は「介護度は高いが職員が手薄で火災時に避難誘導できるか懸念される」とした。
 各施設の防火体制を各地区消防が調査。県防災危機管理課によると20件のうち、防災管理者未設置、消防訓練未実施、消防計画未策定、施設使用の未届けがそれぞれ16件あった。引用:琉球新報

無届け有料老人ホーム446か所、うち80か所は待遇に問題

老人福祉法の有料老人ホームとみられる施設のうち、4月30日時点で、34都道府県446か所が無届けのままになっていることが28日、厚生労働省の調査でわかった。

 入居者の待遇に問題があったのは、届け出た施設を含めて80か所に上っている。同省では、罰則の適用も視野に、都道府県を通じて届け出の指導を強める。無届け施設の増加には、公的施設や良質な高齢者住宅の不足が指摘されている。

 調査は、今年3月に群馬県渋川市で起きた無届けホーム「静養ホームたまゆら」の火災をきっかけに、各都道府県を通じて行われた。2007年の同様の調査では全国で377か所だったため、無届け施設は増加傾向にあるとみられる。

 無届けが最も多い都道府県は神奈川の91か所。東京48か所、千葉41か所、群馬31か所が続き、首都圏に集中している。

 入所者の待遇に問題のあったのは80施設。「1部屋に複数の人が生活していて、プライバシーが保てない」「居室面積が狭い」「廊下が狭く、車いすでの移動に支障がある」「夜間に職員が配置されない」などで、各都道府県ではすでに改善指導に乗り出している。

 有料老人ホームに関する国の指針では、居室は原則個室で、面積は13平方メートル以上。夜間にも職員を配置することなどが求められている。基準に合わない施設について同省では、まず届け出を徹底させた後に、時間をかけて改善指導を続ける、としている。

 老人福祉法によると、有料老人ホームとは、1人以上の老人を居住させ、食事の提供や介護、健康管理などを行う施設で、都道府県に届け出ることが義務付けられている。違反すれば30万円以下の罰金。06年の同法改正で対象が拡大されたが、行政の監視が強まることを嫌った施設が届け出を避けることが問題になっている。

 無届け施設が増加する背景には、特別養護老人ホームの入所希望者が38万5000人に上るなど、公的施設の不足が背景にあるという指摘も多い。引用:読売新聞